しじみと遊離アミノ酸
アミノ酸という言葉を知っていても、具体的にどのような成分なのかわからないという方が多いのではないでしょうか。
アミノ酸は生命活動に欠かせない成分で、皮膚、内臓、血管、筋肉などの元になるタンパク質を構成しています。
私たちの体の20%がアミノ酸でできています。
アミノ酸はたくさんありますが、タンパク質になるのは二十種類だけ。
この二十種類が複雑に組み合わさることで、タンパク質がつくられているのです。
また、二十種類のアミノ酸は、体内で合成することができず食事から摂らなければならない必須アミノ酸と、体内でほかのアミノ酸から合成できる非必須アミノ酸に分けることができます。
非必須アミノ酸のひとつにオルニチンがあります。
オルニチンはタンパク質と結合せずに、ひとつひとつのアミノ酸の状態で体内中に存在している遊離アミノ酸とよばれるものに属しています。
遊離アミノ酸は肝臓や筋肉や血液の中に存在し、常に体内を循環する成分です。
具体例を挙げると、遊離アミノ酸は体内のどこかでアミノ酸が不足しているときに、血中のアミノ酸を取り入れてタンパク質の材料になります。
反対に、遊離アミノ酸が増加した際には血中に放すことで、アミノ酸の貯蔵庫のような働きをしながらアミノ酸の代謝をサポートします。
遊離アミノ酸であるオルニチンがたくさん含まれている食品がしじみです。
オルニチンは体内に入ると、オルニチン→シトルリン→アルギニンと別のアミノ酸になりながら、肝臓に取り込まれた有害なアンモニアを無害な尿素に変換させるサポートを行います。
この回路をオルニチンサイクルとよんでいます。
オルニチンサイクルが活性化することで、肝機能が向上して疲労感を抑制したり、ストレスを緩和したり、アルコールを分解して二日酔いを予防することができます。
先ほどオルニチンはシトルリンに変化すると述べましたが、シトルリン自体も遊離アミノ酸です。
シトルリンは血液の流れをスムーズに整える作用があるので、動脈硬化の予防、ひえやむくみの予防などがあります。
オルニチンを摂ればシトルリンの効果も得ることができるので、オルニチンが豊富に含まれるしじみを摂ることによって、様々な健康効果を実感しやすくなるのです。