しじみとオルニチンサイクル
しじみは二枚貝の一種で、良質のアミノ酸とミネラルが豊富に含まれており、昔から私たちの健康を支えている食品です。
しじみに含まれている栄養素を詳しくみてみると、カルシウム、鉄、ビタミンB12、ビタミンB2、ビタミンA、そしてアミノ酸の一種であるオルニチンが含まれています。
しじみの健康効果は貧血を予防する効果、美肌効果、肝機能を高める効果、疲労回復効果、新陳代謝を活発にする効果などがあります。
多くの健康効果があるしじみですが、これらの健康効果のほとんどはオルニチンによるものです。
オルニチンは遊離アミノ酸の一種で、摂取されると腸で吸収され、肝臓、腎臓、筋肉などに移行します。主に、肝臓に存在しているオルニチンサイクルという経路に働きかけて、様々な健康効果をもたらします。
オルニチンサイクルとはどのようなものなのでしょうか。
オルニチンサイクルとは尿素回路ともよばれており、有害なアンモニアを代謝する経路です。
アンモニアは人間がエネルギーを生み出すときに出る老廃物のひとつで、アンモニアが過剰に発生するとエネルギー産生のための代謝回路を阻害したり、ミトコンドリアの環境を悪くします。
オルニチンサイクルはアンモニアを無毒な尿素に変換します。
ちなみに、尿素を産生した後、オルニチンは肝臓で再生され再び回路に入ります。
このようにオルニチンはオルニチンサイクルの働きを活発にすることによって、ミトコンドリアの働きを助けるなど、肝臓全体の機能を保っているのです。
ところで肝臓には今ご紹介したオルニチンサイクルの他に、エネルギーの産生に関わるTCAサイクル、ブドウ糖を合成する回路の糖新生など、様々な代謝経路が存在します。
オルニチンはオルニチンサイクルを活性化させることで、アンモニアを減らすのですが、アンモニアが減少することで、TCAサイクルと糖新生の代謝を円滑にしているので、健康維持のためにはなくてはならない成分といえます。
オルニチンを摂ってオルニチンサイクルが活発化すると、疲れにくい体をつくることができます。
疲れがなかなかとれない方は、オルニチンが含まれているしじみを摂ってみてくださいね。